方言集




富田の方言あれこれ
「体験」音声は唯今構築中、暫くお待ちください。

 富田の町は、いつ頃から集落の様相を呈してきたのかは、分りません。恐らく、平安・鎌倉の時代までさかのぼる事が出来るのではないかと思います。やはりその頃から、住民の多くは、漁業に従事して、その日の糧を得ていたものと思われます。

 漁師・漁民と言うのは、古来荒くれ者と相場が決まっていて、海の上での会話ですから、当然大きな声にもなろうし、常に危険と隣り合わせですから、荒々しい言葉遣いにもなるわけです。更に猟場の秘密を守るために、土地の人しか分らない隠語も自然に出来たものと思われます。これらの方言も、50代以上の人しかもう分らなくなってきております。

昔から、富田の言葉は荒々しい。などとよく言われたものですが、漁師町は、どこに行ってもそのようなことを言われているものだと思います。そのような荒々しい言葉だけでなく、年配の女性が使う、優しい富田弁も沢山残っています。
○○やいか・・ 会話の中で、○○です。とか○○じゃないか・・という時「そうやいか」「金が落ちとりゃ、ひろうやいか。などと使う。「 体験
あずきまい あぐらをかくこと。親しい人に、くつろいでくださいといった意味で、「あずきまいになって・・」などと使う。 体験
あたん 自分より強いものに、いじめられたり、叱られたりした時、自分より弱いものに対して、いじめたり、嫌がらせをすることを、「あタンする・・」とか「あタンしている」などと使う。 体験
あやかす おちょくる。いい加減なことをいう。否定言葉と一緒に使う。「あやかしとっとあかんぞ」 体験
いいやん じゃんけんの意 「じゃんけんぽん」を「いいやんもってしっ!」という。  体験
えせこ めぐり合わせが皮肉な時にいう。あまり腹が減ったので、余りモノのご飯を腹いっぱい食べた所に、ご馳走が届いたときなど、世の中はなんとえせこなものか・などと使う。深刻な場合に使うことが多い。 体験
えせむ うらやむ どちらかと言うと悪意を持ってうらやむ様子。他人が喜ぶさまを見て、自分の不運を恨み、その人を陥れてやろうか・・と思う気持ち。 体験
えらいぞ 子供が悪さをして、叱る時、ダメだぞ・・とか、えらい目に合わすぞ・・といった意味で使う。 体験
おし お汁の意。おしを吸いながらご飯を食べよ。などと使う。 体験
おだつ 子供が調子付いて騒ぐ様を言う。どちらかと言うと諌めたり、叱る時に使う。「こらっ!わいら(お前ら)、おだっとるとあかんぞ!! 体験
おちょくる 馬鹿にする 体験
おまい 「あなた」「おたく」という感じで使う。富田では、見知らぬ人や目上の人に対して使う。他所で使うと「おまえ」と誤解されかねないので、あまり他所では使わない。 体験
おもる おごる。 体験
くろ 端っこの意。飯は、くろから順に食べよ。とか部屋のくろにゴミがたまっとる。などと使う。 体験
けんたい 当然だ!当たり前だ!といった時に使う。 体験
けんぽう はずれ。スカとも言う。うちの嫁はけんぽうやった・・などと使う。 体験
こおとい 地味なの意 殆ど七十歳以上の女性が数人で、服を見定めている時、「その柄、ちょっとコートイのと違う?」「結構派手やと思うたけど、コートイ?」 体験
こーまぐさい 子供に対して、おませな、生意気な・・の意。小学生が、例えば化粧したいと言った時など、「こーまぐさい!」という。 体験
こじゃにくい 小面憎い・・が訛ったもの。意に沿わない事があったとき、いまいましい気持ちを、吐き出すときに使う。「こんじゃにくい」ともいう。富田の言葉は、汚いと良く学校の先生に叱られたものです。  体験
じょーこ あそこの子供は、ほんとにじょーこやわ。あそこの子供は、ほんとに横着い。 体験
しょのみにかける 目をつける。興味を持つ。 体験
すこべた 頭の意。「すこ」が頭で、「べた」は、「ほっぺた」の「ぺた」と同じで接尾語。「すこべた、張ったろか!」(頭を叩くぞ!)などと使う。 体験
すてっぱ あきれ返り、慨嘆する時、一体なんということだ!というとき「すてっぱ、どーやぇ!」と使う。また、「驚くほどの」と言った意味でも、「あいつは、すてっぱ、おはぎを7つも平らげたげな」と使う。 体験
せせこい こせこせする。ちまちまする。すばしっこい。などあまり良い意味には使わない。 体験
たしない 少ない わずかな 体験
たいもない ひどい事、大変な事に対して言う。ポケットに入れていた10万円を落としてきたと聞き、そんなたいもないことを・・などと使う。 体験
ちょーける 「おだつ」に近いが、どちらかと言うと、もう少し良い意味で使われる。子供たちが騒いでいるのを諌めて、あんまりちょーけとるとあかんぞ。などと使う。 体験
ちょーらかす 馬鹿にする 体験
つくぼる しゃがむこと 「つっつくぼる」とも言う。 体験
づつない 胸苦しいの意。階段を20段上がったら、もうづつのーて(つづなくて)歩けやへん。 体験
にき 近くとかそばの意。学校の近く⇒学校のにき・・その鍋のにきに湯呑みがないか? 体験
はさぐ 乾く の意味 「風邪を引いて、鼻がはさいで苦しい。」などと使う。  体験
ばば 大便のこと 体験
びんた 女性のことを蔑視して言う。どびんた・・などともいう。 体験
ほっこりしない 具合が良くないさまを言う。「どうお、元気?」「ちょっと風邪気味で ほっこりせんのです」などと使う。ほっこりする・とはいわない。身体に関することだけではなく、人間関係とか物事の状況などについても使う。 体験
まーし 準備の意。もう時間やで、はよ、まーしせなあかん。などと使う。 体験
むてんぽ 無謀な 荒っぽい 向こう見ずな 体験
めめる 泣きそうになる 体験
やけつり やけどの意味。  体験
やにこい 弱々しいこと 体験
やらんせ やらんせはちょっとお節介気味に「やりなさい」という意。○○さんせ。は○○しなさい。行かんせは、行きなさい。の意 体験
われ おまえ の意 どちらかと言うと目上の者が、あるいは、非常に親しい間柄で相手に対して使われる。また、往々にして、争いの場で、相手をののしりながら「なに言うとんのや!われ!」などと使う。 体験
レチャ言葉 富田の15歳から20数歳の今なら、高校生から大学生くらいの年代の男性で、青年団に入って粋がっているような年代の人たちによって、話されていました。主にほかのグループの人に知られたくないような話(ちょっと悪いこと)などをする時、主に使いました。言葉のあちこちに「レチャ」という言葉を挟みます。
「あれちゃんなあ、がれちゃっこうされちゃぼって、あれちゃそびにいれちゃかへんか?(あのなあ、学校サボって、遊びに行かへんか?)などと使った。
体験